分子栄養学を学べる、おすすめの本

本の紹介

このページでは、分子栄養学を学びたい人、栄養療法によるさまざまな疾患アプローチを知りたい方におすすめの書籍を紹介します。

私の独断で難易度マークをつけておきましたので、参考にしてください。★が多いほど、医療や栄養に関する専門知識が必要になります。

分子栄養学全般

「がん」では死なない「がん患者」 栄養障害が寿命を縮める (光文社新書) 東口高志

1998年に日本初の全科型栄養サポートチーム(NST)を立ち上げた、現役外科医の著書です。

「栄養障害」によって治るべき病気が治らなかったり、最悪の場合、命を落としてしまうこと、逆に、必要な栄養素をきちんと摂ることで、健康を保つことができたり、大きな病気や怪我をしても予後がよく、QOLが上がる理由が、臨床例も通して一般の人でも非常にわかりやすく理解できます。

健康と栄養を考える入門書として、最適な一冊です。

難易度:★☆☆

最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門 (光文社新書) 溝口徹

2003年に日本で初めて栄養療法専門クリニックを立ち上げた、分子栄養学界隈では大変有名な医師による著書。こちらも、分子栄養学とはなにか?栄養が十分にある状態とそうでない場合でどのような体調やパフォーマンスの違いが出るのか?栄養素別の効果などが初心者にもわかりやすく書かれています。

分子栄養学を学びたい方の入門書として、おすすめの一冊です。

難易度:★☆☆

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血液栄養解析を活用! うつぬけ食事術 (KKベストセラーズ) 奥平智之

精神科医の先生が書かれた、栄養学の入門書。しかも冒頭がマンガで、本の内容が概要レベルでわかりやすく書いてあります。臨床の現場で、栄養素の不足でうつ症状を発症している患者さんが多いことから「栄養型うつ」「テケジョ(鉄欠乏女子)」という概念を提唱し、本書では具体的にどの栄養素が足りないとどんなメンタル症状が出るのか、改善のための食材やレシピ、漢方薬の活用なども記載されています。

最後には、血液検査データの栄養医学的な読み方についても概要レベルで解説が載っていて、分子栄養学を学び始めたい人に、ページ数は少ないものの読み応えのある内容になっています。

難易度:★☆☆

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イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める! たんぱく質のしくみ (西東社) 佐々木一

たんぱく質とは何か?どんな働きをしているのか?摂取に関する注意事項など、見開き2ページに1トピックの形式で、たんぱく質の重要性について知りたい一般の人にわかりやすい内容だと思います。イラストも多く、あしたからすぐに取り入れられる健康・美容・トレーニングなどに役立つ豆知識がいっぱいです。

難易度:★☆☆

体内の「炎症」を抑えると、病気にならない!(三笠書房)池谷 敏郎

テレビなどでもご活躍の、池谷先生の本。慢性炎症の有無は栄養療法でも最初にチェックするところですが、具体的にどんな病気、症状が「慢性炎症」にあたるのか?なぜ「慢性炎症」が起こり、どのように対処したらよいのか?が平易に説明されています。通勤やおでかけの行き帰りなどで、サクッと読めるくらいのボリュームです。

難易度:★☆☆

「脳の炎症」を防げば、うつは治せる (永岡書店)最上 悠

うつ病は「セロトニン」という幸せを感じる神経伝達物質が減ることで発生するという、いわゆる「セロトニン仮説」を前提とした従来のうつ病の治療を掘り下げ、食事、運動、考え方の改善で改善を目指すことを提唱した本。前半はうつ病を「脳で慢性炎症がおこっている状態(いわゆるリーキーブレイン)」と説明し、後半では、回復のための具体的な方法、そして最後に医師や薬の「活用」のコツが、実践的かつコンパクトにまとめられています。私もかつて躁うつで長期療養し、まさに本書の後半に書かれていた内容を独自に編み出して会社復帰を果たした経験があります。現在のメンタル疾患の治療は、休養・投薬だけではなく、食事、運動、カウンセリングなどを総合的かつ段階的に行うのが主流になっています。医療関係者やカウンセラーの方にも、おすすめの一冊です。

難易度:★☆☆

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栄養素のチカラ (ら・べるびぃ予防医学研究所)ウィリアム・ウォルシュ

統合失調症や自閉症、発達障害やうつ病などの精神疾患に対し、栄養療法による症例を世界一お持ちのウォルシュ博士による著作です。正直、非常に難解で、分子栄養学をひと通り学んだ人が読んで、5割理解できるかどうかといった難易度ですが、栄養素という手段を用いて、ある種生まれつきと思われる脳の特性・疾患にここまで切り込むことができるのはすごいことだと思います。改めて、分子栄養学の可能性と力を感じさせられる本です。

難易度:★★★

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アルツハイマー病 真実と終焉 (ソシム)デール・ブレデセン

現在、65歳以上の5人に一人、85歳以上は約2人に1人が認知症という、長寿社会の大きな課題。その認知症の約7割を占める、アルツハイマー病の根本原因(なぜアミロイドベータが脳に蓄積されるのか?)を説明し、いくつもの改善事例も紹介しながら根本治療法を明らかにした本。すでに発症した人にも効果があるとのことです。

本書で紹介される「リコード法」は、必要な栄養を入れ、慢性炎症をストップし、毒素の被曝を減らすという、まさに分子栄養学の実践そのものです。栄養素名やホルモン名などが多数登場しますので、分子栄養学をひと通り学ばれた人の方が理解が進むとは思いますが、一般の方が読んでも予防や治療のエッセンスは理解できるのではないかと思います。

難易度:★★★

ストレス・コントロールやデトックスに関する本

分子栄養学を学び、実践していくと、物理的・環境的・心理的ストレスによるエネルギーの消耗、栄養素の消費を避けることが重要だということに気がつきます。そのためには、

  • 便利な生活をちょっと見直す
  • 自分の考え方や価値観を見直す(=エネルギーの20%を消費する、脳のエネルギーロスを止める)
  • 不安の処理をし、この先やりたいことを具体的に考える

といったことが大切です。そのような観点でのおすすめ本を、以下にご紹介します。

スマホ脳 (新潮新書)アンデシュ・ハンセン

スマートフォンが脳や健康に与えるさまざまな弊害をコンパクトにまとめた新書。特にお子さんに長時間スマホやタブレットを持たせてはいけないなと、改めて感じさせられます。いまさら、スマホなしの生活には戻れませんが、スマホと賢くつきあうための理解を整理するという意味で、一読の価値ありと思います。

難易度:★☆☆

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毒だらけ 病気の9割はデトックスで防げる (評言社)内山 葉子

内山先生の本はセンセーショナルなタイトルが多いですが、何気ない日用品や食品に含まれる微量の化学物質や毒素などが体へ負担となり、原因不明の体調不良を抱えている方が多数いることもまた事実。現代社会の中で、全てを避けて生活することはもはや現実的ではありませんので、個人的にはやはり解毒能力を上げることが根本対策になるかとは思いますが、今現在何らかの症状をお持ちの方や小さいお子さん、高齢者、妊娠・出産を控えた方、特定のご病気の治療・回復中の方などには、知ることで希望が生まれ、対策が立てられるのではないでしょうか。

いま健康な方は、やみくもに全てを怖がるのではなく、選ぶ必要がないものは選ばない、自分に関係のあるものについては対策をしっかり立てる、といった読み方をされると有用なのではないかと思います。(例えば女性が婦人科系のがんを予防するため、内分泌撹乱物質の過剰な暴露はさけるよう、食品や食器を選び直そう、など)

難易度:★★☆

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エッセンシャル思考 (かんき出版)グレック・マキューン

人生の貴重な時間を自分にしかできない本質的なことに使い、最小限の労力で最大の価値を生みましょう、という本です。一時期はやりましたので、手に取った方も多いのではないでしょうか。

分子栄養学と何が関係あるのかというと、この本で指摘する「99%の無駄」を排除できず「瑣末なことまで全部やろうとする」生き方は、実は脳のエネルギーを最も無駄遣いします。せっかく栄養をとり元気になっても、このような価値観、振る舞いを改められないと、せっかく回復した体調で、無駄なこと、やらなくていいことに心血を注いでしまうのです。例えるならば、ブラック企業で働いて体調を崩した人が、お金と時間をかけて体調を改善し、良くなった体でさらにブラック企業のために働いてしまうようなものです。こういう堂々巡り断ち切りたい人は、ぜひお手に取ってみてください。

難易度:★☆☆

LIFE SHIFT (東洋経済)リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット

こちらも最近、「人生100年時代」という言葉を流行させたベストセラー書ですね。100年時代への漠とした不安感、焦燥感みたいなものがある方は、この先どのような時代の変化が訪れるのか、それに対して自分の世代はどう準備するとよいのか、頭が整理されて前向きになれると思います。私はこの本を読んで、会社員をしながら二足のわらじで個人事業の立ち上げをすることを強く後押ししてもらいました。

難易度:★☆☆

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脳の疾患・特性への理解や、周りの方の関わり方がわかる本

うつ病や躁うつ病(双極性2型)、脳卒中や発達障害といった脳の疾患・特性については、状況によっては患者自身が自身の病状を正しく理解できていなかったり、どうしたいのか・どうしてほしくないのかを適切に周りに伝えられない状況になっている場合があります。その結果、自分も周りも混乱して、患者の症状をさらに悪化させたり、看病が苦しくなってしまいます。病気の人はどう感じているのか、周りができる助けは何かがわかりやすく書いてある本をご紹介します。

うつからの脱出(日本評論社)下園 壮太

元・自衛隊のメンタルヘルス担当教官による、実践的なうつ病回復の本。私もうつ病当事者だったころは、この本のわかりやすい病気の説明や、認知行動療法のやり方にずいぶん助けられました。最初の方には、うつになるとどのような気分になるのか、なぜさまざまな症状が現れるのか、経験者でなくても当事者心理が非常に理解しやすく記載されています。当事者はもとより、ご家族やご友人、医療関係者やカウンセラーにもおすすめです。

難易度:★☆☆

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「うつ」がいつまでも続くのは、なぜ? -双極Ⅱ型障害と軽微双極性障害を学ぶ (星和書店)ジム・フェルプス

いわゆる躁うつ病、双極性障害についてまとまった本です。なかでも、双極性Ⅱ型、軽躁などといわれる、「ちょっと元気な人」のうつについて書かれています。双極性のうつは、異常に元気な状態とうつ状態を繰り返すのが特徴で、一般的なうつは落ち込みから回復すれば復帰がしやすいのですが、双極性は元気になった時の処置や対応を誤るとなかなか治らず、繰り返すことで病気が重くなったり、若年性認知症になりやすくなるなどの特徴があります。また、治療に使う薬も異なります。

私自身も双極性Ⅱ型と診断され、発症から職場復帰まで約6年、寛解までに10年近くかかりましたが、この本のおかげでセルフコントロースがうまくできるようになりました。

難易度:★★☆

奇跡の脳 (新潮文庫)J・B・テイラー

ハーバード大学で脳科学者として活躍していた著者の、脳卒中の体験とその回復の軌跡。前半は物語調で、後半は専門家としての考察という構成になっています。私個人としては、本著の一番後ろのまとめが脳疾患の患者にかかわる方に有用な情報ではないかと感じました。著者は脳卒中といういわゆる外傷で脳機能を一部、一時的に失いましたが、応用すると、うつ病や認知症など、あらゆる脳疾患の当事者が意思疎通できない状態でどうケアしてもらえるといいか、よく理解できます。

難易度:★☆☆

その他、おすすめの本

上のカテゴリには当てはまるところがないのですが、大変おすすめの本です。随時、ご紹介していきたいと思います。

人生を変える幸せの腰痛学校 (プレジデント社)伊藤かよこ

なんと!慢性腰痛を根本治療する、小説形式の本ですw 画期的〜

きちんと科学的根拠も説明された上で、ちゃんと、よくなります。これを小説形式で伝えようと考えた、伊藤さんのセンスにも脱帽です。

私自身も昔はぎっくり腰や慢性腰痛があったのですが、本当に先生の言う通り。気にすればするほど、治そうと思ってあれこれやるほど、痛みがひどくなるんですよね〜

でも、病気をきっかけに趣味のダイビングや釣りに没頭し、そのうちめいたちがうまれて心からかわいがっているうちに、腰痛はどこかに行ってしまいました。まあ、そういうことが書いてあります。

そして伊藤さんは、実際にオンラインサロンを主宰されていて、リアル「腰痛学校」も開催されています。慢性腰痛に限らず、長く続く疼痛全般にお困りの方は、是非一度読まれるといいと思います。

難易度:★☆☆

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